武ヶ浜海水浴場
「(下田名勝)武ヶ濱海水浴場」
此附近ニ幕末韮山代江川莫龍練兵所ヲ置ク
 
大正末期頃。第二代下田奉行今村伝四郎正長公が建設した浪除に砂が寄ってできた武ヶ濱。現在、埋め立てられ砂浜はなくなってしまった。
第2次大戦直後、食料難のときは塩炊きも行われた。


「下田橋をわたつて柿崎辮天へ向つていくとい松原が白い濱を抱いて港へ突き出してゐる。武ヶ濱である。遠淺で海水浴には好適地だから其の頃には輝かしい陽の下に大河童小河童が黒い背を干してゐる。濱の後は防波堤である。松原に夕日が沈む時一の石碑が下田の方へ向つて映え輝くを見るだらう。それは下田奉行今村傳四郎正長の勒功碑である。今村傳四郎は私俸を抛つて防波堤を築いた。大正の津波には下田町民は今更に正長の偉大なる功績を感謝したのであつた。」
(奥伊豆めぐり第6版・森義男 T15年)

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